MENU

食品ロスの影響は大気中の温室効果ガス増加に? 気候変動との密接な関連性

まだ食べられるにも関わらず廃棄となってしまう食品ロスは、私たちの生活に密着した身近な問題です。

近年、食品ロスに対する関心はより一層高まっており、大手食品メーカーが2019年から継続している「食品ロスに関するアンケート調査」では、2021年の食品ロスの認知率は98.8%過去最高となりました。

そのような食品ロスですが、食物自給率の低い日本にとって大きな損失であるうえに、地球温暖化の原因にもなっていることをご存じでしょうか。

この記事では、食品ロスがどのように地球温暖化につながるのかについて解説し、国内の対策や具体的な取り組みを紹介します。最後まで読んでいただくことで、食品ロスと地球温暖化との関係性を理解でき、解決のための手段が整理されるはずです。

目次

食品ロスによる温室効果ガスの発生

食品ロスと温室効果ガス排出の関係を整理するためには、廃棄物としての処理だけでなく、食料生産段階にまで目を向けることが必要です。ここでは、食品ロスによる温室効果ガスの発生過程について、食料システム食品廃棄物の処理の二点から解説します。

1.食料システム

食品が消費者の手に届くまで、第一次産業における食料の生産に始まり、加工、包装、流通、保管、一部は調理という過程を経ています。食品生産の各段階において、化石燃料をもとにしたエネルギー消費によるCO2が発生し、原材料の生産段階では農地や家畜からメタンやN2Oが発生している現状です。

また、全ての過程を1か所で行うことができるケースはほとんどないため、各段階でエネルギーを消費するのに加え、燃料を使って輸送するというアクションが各段階の間に必要となります。

つまり、食料の生産は土地や水、生物資源はもちろん、化石燃料にも大きく依存しているといえるのです。

生産

食料の生産は、農業漁業畜産業といった第一次産業において始まります。

2019年における日本の農林水産分野の温室効果ガス排出量4,747万トンにも上り、CO2換算での総排出量に占める割合3.9%です。温室効果ガスの内訳は、メタンCO2N2Oであり、なかでもメタンの割合が高くなっています。

排出源となっているのは、稲作、家畜のげっぷ、農業機械・ビニールハウスの暖房などのための燃料焼却などです。
以下に、農林水産分野において温室効果ガスが発生するメカニズムを説明していきます。

稲作によるメタン発生

参照・図の引用: 独立行政法人農業環境技術研究所 農業と環境No.114 メタン:水田から出る温室効果ガス

メタンは、酸素が少ない条件でメタン生成菌により有機物が分解されると発生し、その温室効果はCO2の25倍以上となっています。

水田は、稲作のために水を張るので、酸素が少ない嫌気的な土壌環境です。稲作では、水田の土壌に存在する有機物や肥料に含まれる有機物が、メタン生成菌のはたらきにより分解されるためメタンが発生します。

水田からのメタン発生を減らすためには、水を張らない期間を長くすることが鍵です。具体的には、稲の穂が出る前に田の水を抜いて地面を乾かす「中干し」期間を7日間延長すると、メタン発生量を3割削減できることが確認されています。「水稲栽培により中干し期間の延長」は、J-クレジット制度でも認められた温室効果ガス削減の方法の一つです。

水稲栽培が盛んなアジア地域では、稲作由来のメタン排出量が多いため、有効な削減手段が広まることが期待されます。

家畜のげっぷによるメタン発生

図の引用: 農研機構プレスリリース (研究成果) 乳用牛の胃から、メタン産生抑制効果が期待される新規の細菌種を発見

家畜のげっぷは、世界的にみても農業分野におけるメタン排出の大きな原因です。ウシやヒツジ、ヤギなど胃を複数もつ反芻動物は、胃の中に約8千種もの微生物をもち、そのはたらきによって分解が難しい繊維質も消化しています。家畜が食べたエサが胃の中で発酵し、発生したメタンがげっぷとして口から排出されるのです。

体重600kgのウシは、1日で約500リットルのメタンガスを排出するとされ、世界の畜産牛13億5100万頭から計算すると、1日で6,755億リットルが排出されていることになります。ウシだけでこの値ですから、ヒツジ、ヤギなども含めた家畜全体の影響は無視できません。

家畜のげっぷからのメタン発生を削減するために、エサの改良、げっぷの個体差、エサやりのタイミングなどについて研究・開発が進められています。

参照: 農研機構 畜産研究部門 牛のメタン

農林水産分野の温室効果ガスには、メタンの他にCO2とN2Oがあります。CO2は農業機械・船舶・ビニールハウスの暖房など燃料の焼却に由来するものがほとんどです。N2Oは温室効果がCO2の265倍もある温室効果ガスで、農業によるN2O排出量が日本のN2O総排出の半分近くを占めています。

N2Oは、農用地の土壌において作物残渣などが微生物に分解される過程や施肥した窒素肥料から発生しますが、特に施肥量が多い茶園での発生量が多いようです。また、家畜の排泄物に関しても微生物による分解の過程でN2Oが生じます

輸送

参照・図の引用: 食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会 林政審議会施策部会地球環境小委員会 水産政策審議会企画部会地球環境小委員会 合同会議資料 p.3・6・13

食品の原料を入手する際にも、製品として保管、出荷、配送する際にも、輸送のための燃料を使います。

フードマイレージの計算方法
輸送距離を反映した指標であるフードマイレージ(t・km)は、「食料の輸送量(t)」×「輸送距離(km)」で計算され、輸送に係る環境負荷も含めて表すことが可能です。フードマイレージには、輸送手段や燃料の種類による違い、冷蔵品・冷凍品の温度管理のためのエネルギーは考慮されていませんが、比較的簡単に算出できるため便利な指標といえます。

埼玉県小川町において大豆1トンを原料として豆腐5千丁を作った場合の例では、国産大豆を使った場合のフードマイレージは、米国アイオワ州からの輸入大豆を使った場合の約6千分の1、CO2排出量は約400分の1となりました。フードマイレージで表すと、地産地消の重要性がより明確に伝わります。

食料自給率が低く、原料の多くを海外に頼っている日本の現状では、主要各国に比べて輸入食品に係るフードマイレージが高く、韓国と比較しても約3倍です。消費者一人ひとりが、商品の輸送によって排出されるCO2にも関心をもち、地産地消を心がけることが大切でしょう

参照: 住商アグリビジネス株式会社 地球温暖化と未来の農業を考える②

小売

食品小売業においては、仕入れに関する慣例が食品ロスを生み出す大きな原因となってきました。具体的には次のような例です。

  • 賞味期限の3分の1を超えたものは入荷しない
  • 賞味期限の3分の2を超えたものは販売しない
  • 先に入荷したものより前の賞味期限のものは入荷しない

これらのルールのもとでは、賞味期限まで多くの日数が残っていても、賞味期限の3分の1を超えた商品は小売店に納品できず、廃棄される可能性があります。賞味期限の3分の2を超えた商品を、小売店で販売できない場合も同様です。

また、先に入荷したものより前の賞味期限のものは入荷しない場合、年月日による賞味期限表示では、納入できない商品が発生する可能性が高まります。

したがって、食品ロス削減には納入期限の緩和や賞味期限の大括り(年月のみ・10日単位など)化が有効です。令和4年10月時点で、納品期限を緩和している食品小売事業者は全国で240事業者、賞味期限表示の大括り化に取り組む食品製造事業者は267事業者と公表されています。

その他、小売段階で食品ロス発生の要因となっているのは、次のような例です。

  • 規格外や見栄えの悪さにより市場に出せない農産物の発生
  • 生鮮食品の売れ残り
  • 需要と供給のずれによる売れ残り(季節商品など)
  • 新しいものを選ぼうとする消費行動
  • 外食での食べ残し

このように、小売段階では消費者の行動と事業者の対応が相互に影響し合って、食品ロスが生じています。

2.食品廃棄物の処理 

食品廃棄物の焼却処理では、焼却そのものによるCO2に加え、化石燃料の使用によるCO2も発生します。また、リサイクルされずに廃棄された食品は紙などよりも水分を多く含むため、より多くのエネルギーが必要です。

また、食品廃棄物を生ごみとして埋め立てた場合、酸素が少ない状態で食品に含まれる有機物が微生物に分解されることで、メタンが発生します。メタンは、CO2の25倍以上の温室効果がある地球温暖化への影響が大きい物質です。

ここまでにご紹介したとおり、食品ロスを焼却などにより処分する場合、多くの温室効果ガスを排出します。さらに、生産の過程で既に多くの温室効果ガスを排出している食品を廃棄物として処理すれば、生産時に使用されたエネルギーを無駄にしていることにもなります。食品を廃棄物にしないことが、何よりも重要なのです。


参照: 農林水産省プレスリリース『納品期限の緩和を進める事業者が大幅に増加!』

地球温暖化への影響

参照・画像引用: Our World in Data ”Emissions from food alone could use up all of our budget for 1.5°C or 2°C” 

食品廃棄・フードロスによって排出される温室効果ガスの推計は約33億トンで、この値は中国、米国の排出量に次ぐほどの大きさです。

また、温室効果ガスが排出されるのは、食品ロスからだけではありません。生産、加工、包装、流通、保管、調理、消費など、食品の生産から廃棄まで一連の食料システムで排出される温室効果ガスは、全世界の温室効果ガス排出量の約10%です。この食料システム由来の温室効果ガス排出量は、2100年までに1兆3560億トンになると予測されています。

温室効果ガス削減について世界共通の目標を決めたのが、2015年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定です。パリ協定は、産業革命前からの世界平均気温上昇を2°Cより十分低く、できれば1.5°Cに抑えるという目標を掲げました。

1.5°C目標を達成するための排出限界量は5千億トンとされており、1兆3560億トンという予測値は排出限界量を大きく超えています。つまり、現在の食料システムを続けている限り、他の分野でいくら温室効果ガスの削減を実現しても、世界の平均気温上昇を1.5度に抑えることはできないということなのです。


参照: 環境科学会誌34(6)『わが国の食品ロス発生による温室効果ガス排出,天然資源の浪費および経済損失の評価』
参照: 農林水産省 食品ロスの現状を知る
参照: 環境省『 IPCC 「土地関係特別報告書」の概要』 p.37(20020年度)

食品ロスの発生状況

地球温暖化を防ぐために、食品ロスの削減は世界共通の課題といえます。食品ロスが「食料システム」と「食品廃棄物の処理」において、看過できないほどの温室効果ガスを発生させていることは、ここまで述べてきたとおりです。

温室効果ガスの排出を抑制するには、食品ロスの現状を認識し、できるところから対策を講じていくしかありません。ここでは、世界と日本それぞれにおける食品ロスの発生状況について解説します。

世界の食品ロス

参照・画像引用: 農林水産省 食品ロスとは

国連食糧農業機関(FAO)が2013年に報告した調査結果によると、
世界で生産される食料のうち、3分の1に当たる約13億トンが毎年廃棄されています。

一方、世界で「深刻な食料不安」「中程度の食料不安」をかかえる人の割合を合計すると約20%にのぼり、
およそ五人に一人が食料不安を抱えている現状です。

その他にも、食品ロスの発生による、貧困国での飢餓や温室効果ガス排出、土地・水資源の浪費、経済的価値の損失などの様々な影響が懸念されています。

また、2030年までの達成を目指す国際社会共通の持続可能な開発目標(SDGs)には、
食品ロスに関連する目標が盛り込まれました。

ターゲット12.3
「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、
 収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」

ターゲット12.5
「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する」

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン SDGS 目標12

食品ロスの削減を通じてこのターゲットを達成するために、各国や地域で積極的な取り組みが求められています。

日本の食品ロスの現状

参照・画像引用: 農林水産省 食品ロスとは

日本国内の状況を見てみると、2021年度の食品ロスの量は523万トンで前年度よりも1万トン増加しました。家庭から発生する「家庭系」と小売店の売れ残りや飲食店の食べ残しなどによる「事業系」の合計を、国民一人当たりに換算すると1日約114gとなります。これは、茶碗1杯分のご飯に近い量です。

日本には「もったいない」という言葉がありますが、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんはこの言葉に感銘を受け、世界に広めることを提唱しました。ワンガリ・マータイさんは、MOTTAINAIキャンペーンのインタビューで下記のように語っています。

「皆さんご存じの通り「もったいない」はリデュース・リユース・リサイクル(3R)を意味する言葉です。同時に、これは日本を訪問した時に学んだ大切な意味ですが、リスペクト(尊敬)し感謝するという意味もあります。リスペクトを3Rに加えることで4Rになります。私たちは環境から実に多くの恩恵を受けていますが、普段感謝の気持ちを表すことはほとんどありません。しかし、私は日本でこの感謝という価値にひきつけられました。感謝するというのは、世界にとって最も大切な言葉です。」

引用: MOTTAINAIについて マータイさん最後のインタビュー

私たちは「もったいない」という日本語の意味を今一度とらえなおし、自分事として日々の生活に取り入れるべきではないでしょうか。

参照: SDGs CLUB

日本における食品ロスの半減目標

食品ロス削減に関する法律としては、「食品リサイクル法」「食品ロス削減推進法」の2つがあります。

2000年に成立した食品リサイクル法では、2000年度(547万トン)比で、2030年度までに事業系食品ロスを半減(273万トン)させるという目標が設定されました。食品ロスを減らすためには、事業系と家庭系の両方に対する取り組みが必要であり、法律の内容は事業者・国民両者の取り組みを後押しするものです。

食品ロス削減のため、下記のような取り組みが事業者において既に始まっています。

  • 店内でのポスター掲示や放送による「てまえどり(棚の手前にある商品から選ぶ)」の啓発
  • 閉店時間を見越した値引き・ポイント付与等による生鮮食品の売り切り
  • 製造中に形が崩れたり、賞味期限が短くなったりしたスイーツやパンを定価の半額で販売
  • キズやサイズ違い、天候被害を受けた農産物をお得な値段で販売
  • 保存料や防腐剤を使用せずに味と品質保持を両立できるロングライフ製法により、賞味期限を延長
  • 賞味期限の見直しや、需要予測の精度向上による流通在庫減・欠品防止
  • 約50店舗全店のネットワーク完備により、全店にある商品の在庫状況をリアルタイムで把握し、効率的な生産計画や店舗間の在庫移動を実施
  • クリスマスケーキや恵方巻など季節商品の予約販売を実施
  • 注文間違いなどでやむなく返品となった宅配商品の一部を、フードバンクや地域のこども食堂へ提供
  • 店舗への納品期限の切れたお菓子や加工食品などを、定期的に寄贈する取り組みを開始
  • 自社40店舗の野菜・肉の加工くずを回収・堆肥化し、堆肥で育てた野菜を店舗で供給
  • 発生した食品廃棄物を培養土、飼料、固形燃料化としてリサイクル
  • 外食において小盛りメニュー提供や食べきれなかった分の持ち帰り対応 

食品ロスを削減する事業者の地道な取り組みが、温室効果ガスの発生抑制に貢献しているのです。

参照: 農林水産省 食品ロスの現状を知る
参照・画像引用: 農林水産省 食料産業局『食品ロス削減にむけて』(令和2年2月)

食品廃棄物を減らす対策: 食品残渣(商業廃棄物)のリサイクル方法

食品関連企業では、食品工場や飲食店等フードチェーン上で生じる食品廃棄量を削減する対策が求められています

企業はまず食品廃棄物が出ないよう努力し、どうしても発生する廃棄物についてはリサイクルしなければなりません。食品廃棄物をリサイクルできれば、焼却などで処理するよりもCO2発生量を抑えることができます。

食品リサイクル法が再生利用方法としてあげているのは、飼料化や堆肥化・肥料化、きのこ菌床への活用、メタン化等による再利用などです。これらの方法は、食品リサイクル法のなかで環境負荷の面から優先順位がつけられており、飼料化、堆肥化・肥料化、きのこ菌床への活用、メタン化の順になっています。

以下に、それぞれ説明していきます。

飼料化
  食品廃棄物などを再利用して家畜用飼料(エコフィード)を製造

 メリット
  ・発酵・蒸煮・油温減圧式などにより水分を取り除く乾燥方式よりも、
   乾燥せずに液状のまま処理する液状処理の方が低コスト
  ・飼料自給率の向上や国産飼料による畜産経営が実現
 デメリット
  ・処理工程で異物混入が発生しやすく安全面・衛生面で課題があり、品質の安定が難しい

堆肥化・肥料化
  食品廃棄物を微生物で腐熟させ堆肥や肥料にする方法

 メリット
  ・地域で発生した食品廃棄物を原料とした堆肥・肥料を使って農作物を生産し、
   生産された農産物を地域で利用することで、地域循環型食料生産システムの実現が可能
 デメリット
  ・微生物で発酵させるための設備投資が必要
  ・食品工場の繁閑により食品残渣の量が変化するため、堆肥・肥料の生産量が安定しないことが課題

きのこ菌床への活用
  特定の食品廃棄物に木材チップなどと混ぜてきのこ菌床として活用

 メリット
  ・ほかのリサイクル手法と比べて簡単で新規参入しやすい
 デメリット
  ・地域で発生した食品廃棄物を地域で再生させ、生産物を食卓に提供できれば地域循環型食料生産システムが実現
  ・きのこを収穫した後の廃菌床が産業廃棄物となるためゼロエミッションを目指すことが必要

メタン化
  細菌を利用して食品廃棄物を発酵させてメタンガスを作り、エネルギーとして再利用する方法

 メリット
  ・食品廃棄物は他の有機物と比較してバイオガス発生量が多いため、メタン化が有効
  ・飼料化や堆肥化よりも粗い分別で、問題なく処理が可能
  ・発生したメタンを発電に利用すれば、省エネルギーや分散型エネルギーの構築に貢献
 デメリット
  ・設備導入や処理コストが高い点がデメリット

参照: 生ごみ等の飼料化・たい肥化の現状及び課題等について
参照: 農林水産省 食料産業局『⾷品廃棄物のメタン化に取り組んでみませんか?』
参照: 廃棄物資源循環学会論文誌,Vol. 23, No. 1『食品廃棄物を利用したブナシメジの栽培』

食品廃棄物を減らす対策: 今日から個人でできること

食品ロスのうちの半分は家庭から発生しており、消費者一人ひとりの問題でもあります。
すなわち、私たちが少しずつでも行動を変え継続できれば、大きな変化につながる可能性があるのです。

個人や家庭でもできる取り組みには、次のようなものがあります。

買いすぎゼロ!

買い物前に今ある食材を確認する
普段から食材の整理整頓をこころがけ、家に何があるか把握しておく
必要な分だけを買う
フードシェアリングサービスを活用する

作りすぎゼロ!

家族の予定や食べる量を把握してから作る
冷凍を活用してじょうずに保存する
食材は無駄なく使い、余ったらリメイク・アレンジする

外食で食べ残しゼロ!

食べきれる分だけ注文する
量や食材を確認して調整できるか相談する
食べきれない分は持ち帰りできないか相談する
「食べきり協力店」を検索してみる

このように、個人でできる取り組みは特別難しいことではありません。
ぜひ、無理なく取り組めることから始め、習慣にしていきましょう

参照: 農林水産省 食品ロス削減国民運動
参照: 東京食品ロスゼロアクション

まとめ

人類にとって食料生産は欠かせないものですが、食品ロスは生きものの命や貴重な資源、労働力を無駄にしてしまいます。さらに、食品を廃棄物として処理する過程で膨大なコストがかかるうえに、温室効果ガスを発生させ地球温暖化に影響を及ぼすのです。

2050年の脱炭素社会を実現するためには、食料生産や食品ロスに由来する温室効果ガスの削減が欠かせません。2023年11〜12月にドバイで開催された国連気候変動枠組条約COP28では、食糧システムと食品ロスについても言及がありました。

今後は、温室効果ガス削減対策として食品ロスを盛り込み、目標を定めて具体的な対策を進めていくことが必要となるでしょう。国や事業者の積極的な取り組みはもちろんですが、消費者一人ひとりが食品ロスを認識し、身近なところから取り組んでいくことが求められているのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次